理事長メッセージ

研究領域
- 地域福祉-在宅福祉サービス論、社会福祉協議会論、地域福祉計画論
- 福祉教育、ボランティア論
- コミュニティ・ソーシャルワーク論
主な著書
- 『地域福祉の展開と福祉教育』単著:全国社会福祉協議会,1986年
- 『福祉教育の理論と展開』共編著:光生館, 1987年
- 『地域福祉』単著:放送大学教育振興会,1999年,1995年改訂版
- 『地域福祉計画策定の視点と実践』編著:第一法規,1996年
- 『介護保険と地域福祉実践』共編著:東洋堂企画出版社,1999年
- 『コミュニティソーシャルワークと自己実現サービス』共編著:万葉舎,2001年
- 『21世紀型トータルケアシステムの創造』共編著:万葉舎,2002年
- 『福祉21ビーナスプランの挑戦』共編著:中央法規出版,2003年
学会活動
- 日本社会福祉学会会長(平成10年10月~平成16年10月)
- 日本福祉教育・ボランティア学習学会副会長(平成10年11月~平成20年10月)
- 日本地域福祉研究所理事長(平成6年~)
- ソーシャルケアサービス従事者研究協議会代表(平成12年5月~)
- 東京都生涯学習審議会会長(平成13年4月~)
- 日本地域福祉学会会長(平成14年6月~平成20年6月)
- 日本学術会議会員(平成14年7月~平成17年9月)
- (社)全国社会教育委員連合会長(平成15年3月)
- 社会保障審議会(生活機能分類専門委員会)専門委員(平成18年10月)
- 日本学術会議連携会員
- 埼玉県社会福祉審議会委員長
- 社団法人日本社会福祉教育学校連盟会長
福祉の道を決意させた一冊の書
高校時代に出会った一冊の書が福祉の分野に進むことを決意させました。それは島木健作が著した『生活の探求』という書で、農村の生活改善に全身全霊を注ぐ主人公の姿に感銘を受けたのです。
その後私は日本社会事業大学社会福祉学部に進学し、社会福祉実習や訪問調査などの経験を通じ、地域の人間と一緒になって生活改善に取り組むことで、自分の進んでいる道は間違いないと確信を持つようになりました。
大学を卒業すると、東京大学大学院に進みました。社会教育を専攻し、地域福祉と社会教育の学際的・俯瞰型研究に関心を持ち、高齢者・障害者の社会教育の研究に取り組みました。
その後は1974年から日本社会事業大学で教鞭を取っていますが、その間「フィールドをもたない研究者になるな」と自戒し、制度を資源として活用しながら、どうやって地域での生活を豊かにしていくかというフィールドをもったソーシャルワーク的研究を一貫して行ってきたつもりです。
実体験が私の志を強くした
大学3年生の時に私の考え方に大きな影響を及ぼすことになる、長野県下伊那地方での社会福祉実習に参加しました。そこでは、保健師、公民館主事、生活改良普及員と私のように福祉を学んでいる人間が一緒になって地域の生活改善に取り組み、まさに私が感銘を受けた『生活の探求』の世界そのものを経験することができたのです。
また、岩手県二戸市の中卒青年集団就職調査なども当時の私に大きく影響を与えました。粟・ヒエを食べ、ランプで生活している家庭への訪問で、生活の厳しさというものを肌で実感し、そこで冒頭申し上げた、「貧困の世代継承を断ち切るための教育や福祉をつくりあげなければならない」と決意したのです。
自身の決意や思いがさまざまな体験を通じて裏づけされ、改善を追い求めた末の今日だと考えています。
日本地域福祉研究所の6つの機能
本研究所には大きく分けて6つの機能があります。
- 大学と現場をつなぐネットワーキング
―地域福祉実践研究セミナーを通じた、実践の理論化、理論の実践化のリカレント(循環)、各種理論の普及 - 研究・実践成果の刊行
―『コミュニティソーシャルワーク』の創刊を初めとした、研究成果の書籍化 - 公開研究セミナーの開催(年2回)
―研究・実践成果を広範な普及 - コンサルテーション業務
―自治体・市町村社協職員の研修コンサルテーションを行い、スーパーバイザーとして職員の能力向上を企図。シンクタンク的役割。 - 東北アジアの社会・地域福祉の交流
―日韓地域福祉比較研究セミナーに代表される国際交流事業を積極開催 - 日本福祉教育・ボランティア学習学会への支援
―事務局機能受託
研究所のミッション
地域福祉と社会教育の融合によって、「コミュニティソーシャルワークの展開」が最大のミッションです。それは2つの方法から成り立っています。ひとつは草の根の地域福祉を豊かに育むこと、そしてもうひとつは新しい社会哲学の構築です。
草の根の地域福祉という点では、戦後日本は対症療法的な消極的社会事業ばかりが際立ち、積極的社会事業というものはなかなか見られませんでした。私が考える積極的社会事業とは地域改善・社会改良・福祉サービス利用者の主体性確立に根ざしています。一方、新しい社会哲学の構築という点で、人の行動規範を繋ぎ、社会福祉の原理となりえるものは「博愛」ではないかと考えています。
日本は他国と比較すると、極めて国への依存というものが高い国ですが、社会のあり方を一人ひとりが真剣に考え、住民のボランティア活動を推進し、行政と住民の協働という新しいシステムづくりが必要です。特にグローバリゼーションが激しい現在においては、そういった問題意識を持つことが非常に重要です。我々はコミュニティソーシャルワークの展開を通じ、広く問題提起と解決方法を模索していかねばならないと思っています。
今後の展開
我々に課せられたミッション、ならびに役割を忠実に遂行することが最優先だと考えています。それらを通じ、例えば国の制度を活用し、改革を働きかけつつ、目の前にある現実問題がかみ合わないところなどを一つひとつ解決していくことが重要なのです。
また、他のアジアの国々への交流拡大も大きな課題です。韓国だけではなく、中国や他の国々とも連携し、コミュニティソーシャルワークの発展に寄与していきたいと考えています。

これから福祉を志す人へ
ソーシャルワークはすごく楽しい仕事です。また、これほど自分の人生を豊かにし、人と繋がることができる素晴らしい仕事はありません。
対峙する相手に向かい、「この人はどういう問題で悩んでいるのだろう、どういう心理状態なのだろう」という"imagination"(想像)と「この人にどういう人生を設計すれば良いだろう」という"creation"(創造)という2つの「そうぞう」を用いて、相手と一緒に悩み、共に解決していくことで、自分が相手から必要とされていることを実感できるからです。
若い人々には熱意をもってぜひこの世界にとびこんでもらい、一緒に生きがいを感じてもらえたらと思います。
